2カラムと3カラムを考える

26 August, 2009

この日誌に使っているスキンは、シンプルだけどなかなかよく考えられていると思う。何日かさんざん、ブログの表示デザインを研究した後、これに落ち着いたのはそれなりに理由がある。

Nucleusスキンブラウザ

このサイトのスキンブラウザでさんざん見たのだが、なんだか服を買う時と似た感じがした。
いろんなものを見て、さんざん迷った挙句、一番最初に見たものに辿り着くというコースだ。


いや、案外、ブログのデザインって、服よりも大事かもしれない。服なら毎日何度もPTOに応じて着替えるが、ブログデザインはずっと使い続けるものだし、他人にも使ってもらうものだ。
その上、仕事の成果に関係する場合も多いのだから、服を買う時よりもずっと迷って当たり前だと思う。

おまけにCMSは英語環境と日本語環境という違いがあって、実際に自分のレンタルサーバに設置、表示してみると、かなり見え方が違う場合が多い。フォントサイズと行間で苦労するのもそのせいだ。

このスキンはportcentralと言うのだが、最初はシンプル過ぎて目に留まらず、他の豪華なデザインにばかり目が行ってしまった。
しかし実際に、凝った絵や写真を使ったデザインのを設置してみると、設置しただけで飽きたり違和感を覚える、ということが続いた。

で、このportcentralを二度目に見て思ったことは「なんじゃこりゃ?」
上の赤いバーが何ピクセルかずれていたので、ちょっと変な感じがした。更にブラウザの横幅を変えると、このバーはツルツル…とずれるじゃないか。
最初はジョークでこういうことにしてあるのかと思った。

何度か見ているうちに、色使いとか一見目立たないのに凝った壁紙とかが、何となくジワジワ…と好きになってきたので、10本ばかりも試した後に、これを使ってみることにした。

で、改めて見て分かったのは、上の赤いバーは表示に応じていつも真ん中に来るので、色の対比とこの動きがなかなか面白い、ということ。メニュー左側の余白がないのも、画面を狭くした時に無駄がないのが好ましい。
画面を広くした時にはメニューと記事全体がほぼ中心に来るが、狭めにした時には記事本文が中心にくるという、なかなか絶妙なバランスだ。赤いバーはバランスメーターなのだ。
この赤いバーの動きは、2カラムと3カラムのことを意識した人が作った、なかなか芸達者のスキンだと思う。


ブログのデザインで2カラムと3カラムのどちらを選ぶか、けっこう大きな問題だ。
2カラムというのは、記事本文の右側か左側のどちらかだけにメニューが来るもので、3カラムは両側にメニューが来る。
私はどちらかというと、ゴチャゴチャといろんなものを入れるのが好きでないので、2カラム派なのだが、3カラムは本文が体の正面に来るのが大きな長所だと思っている。

2カラムでも、右メニューと左メニューではけっこうな違いがある。昔から心理学的な定説になっているのは、「人間は仕事に行く時は左に意識が向き、遊びに行く時は右に向かう」ということだ。これの応用で、例えばWEBサイトに広告を出す時などは、表示位置によって価格が違う。

ブログの場合には、ユーザビリティを考えると、左上に一番よく使うメニューを持って来るのが、分かりやすく使いやすいサイトということになるのだろう。
しかし別の視点で考えると、見やすくクリックしやすい位置に重要なコンテンツを持ってくると、訪問者は決まりきった動作しかしなくなり、別の場所にあるコンテンツに気づきにくくなるかもしれない。

一番よく使うメニューを、わざと別の場所に持ってくることで、普段は気づきにくいコンテンツも気づかせる、という裏技もできるだろう。あくまでも素人考えなので、統計的にこのへんのことがどう出ているのかは知らないが。

ブログのメニュー位置というのは、この辺りの設定を自由に変更できるのが使いやすいデザインとなるのだろうが、基本は左カラムだと思う。
しかし近年は割りに右メニューのものも多くなった。

画面全体のバランスで見ると、左メニューの場合、どうしても左が重くなりすぎる。特に記事本文にリストを多用した場合などは、左側にばっかり文字が集中してしまう結果になる。

右メニューにすると、今度は画面全体を見た時のバランスは取りやすくなるのだが、人間の目は左から右に向かって動きやすい、という特性があるので、「まず左へ左へ」と目が動き続け、左に意識が向きすぎてしまう。その為、長時間見ていると体のバランスが崩れ、何となく落ち着かないのではないか、という気がする。

簡単にまとめると、左メニューは普通に安定した使い心地ではあるものの、マンネリ化しやすい気がする。本文にテキストの多いブログには向くと思う。
右メニューは斬新な感じがするので、使い方次第ではあるが、初心者にはお勧めできかねるし、内容と情報量にもよるだろう、ということだ。

3カラムは、2カラムの場合の右メニューと左メニューの特性を踏まえつつ、各種メニューをどこに置くか、を考えていけば良いことになる。
ただし、ゴチャゴチャ感はどうしても免れないし、長い文章を書く人は表示領域が狭くなるので、前述のように「続きを読む」機能の設定が必要になるだろう。
2カラムと3カラム、メニューの位置などは、なかなか面白いテーマだ。

tao

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