「家」映画二本

07 March, 2008

このところ風邪気味で、外出をひかえタラタラとDVDなんか見ながら、単純作業的な仕事をしている。
一週間ほど前に、夜中にひどく咽喉が痛くなって目覚め、咽喉タイプの風邪薬を飲んで寝たら、朝にはだいぶ収まっていた。

しかしどうも、無理に咽喉の症状を抑えただけで、風邪は基本的に治っていなかったらしく、2〜3日後から、くしゃみ、鼻水、寒気という、古典的な風邪の症状が出始めた。悔しいのでニンニクを大量に焼いて食べてやったが、前はこの方法で治ったのに、今回はちっとも治らない。
空亡期を何とか無事に越えたものの、気が緩んでその反動が出たのか…改めて風邪には特効薬はない、というのは本当だった。そんなにひどくはないのだが、もう一息って感じ。


「ローズ家の戦争」
こういう時はあんまり深刻な重い映画は見たくないので、今日は「ローズ家の戦争」を選んでみた。この映画、何度見ても面白い。
キャスリーン・ターナーがいいし、リアルなブラック・コメディに徹したのが成功して、ストーリーのまとまりが良い。

何度見ても面白いのは、やはり夫婦間の冷戦とか幸福な家庭の裏側とかが、細部で象徴的に描き込まれているからだろう。アメリカっぽく大袈裟ではあるが、その根っこにある感情は、どこの国でも同じ。
ただし、夫婦生活を解消した経験のある人は、思わずニンマリしてしまうか、それとも背筋が寒くなるか……そこんとこは責任持てない。あんまりうまく行っていないカップルは、この映画を見てサッサとケリをつけちゃうのも、一つの道かも(意地悪)。

それに加えて、この物語に奥行きと現実味を与えているのは、「家」に対する人間の執着である。「ローズ『家』の戦争」の「家」にまつわる人間の感情には、なかなか説得力がある。語り手も適役で、見ごたえのある一本だ。

キャスリーン・ターナーというのは、そんなに出演本数は多くないが、なかなかの怪女優だ。美人女優と思い込んでいた人は、「シリアル・ママ」なんか見るとびっくりするかもしれないが、ああいうのが、彼女の本領発揮だと思う。
こう見てくると、重くも深刻でもない…かどうかには、疑問が出てきたが…(笑)ここまでハッキリと現実を突きつけられると、爽快であることは確か。



「家」
家の話が出たところで、ついでにもう一本、タイトルもそのものズバリで「家」。
こっちはオカルト系ホラー映画で、主演はB級映画によく出るカレン・ブラックと、「吸血狼男」で有名なオリヴァー・リード。
この二人が、避暑の為に借りた家にとり込まれてしまうというストーリー。何となくありがちな筋書きのようにも思えるが、家にまつわる怪談としては、筆者はポルターガイスト的な話よりも好きだ。

「ポルターガイスト」も「悪魔の棲む家」も、家そのものに悪霊が取り憑いて住む人に災いを及ぼす…というものだが、この「家」はもう少し家と人間が一体化している。人間の思い入れとか執着みたいなものが家そのものに強く刻み込まれ、家が人を食って生き続けるという話だ。

ポルターガイスト的な話だと、ひたすらそこから逃げようとするだけだが、「家」では、家に魅入られ執着してしまうが故に、自ら家に取り憑く亡者の仲間入りをしてしまう。確かスティーブン・キング原作の「ローズレッド」も、モチーフに共通点があったと思う。
そこには輪廻転生という「業」(ごう)が前提として存在し、何となく人間の心の暗部をえぐっているようで、けっこう見入ってしまう。
脇役のベティ・デイヴィスも強烈だし、カレン・ブラックは美人ではないが醜くもなく、オリヴァー・リードと共にホラーによくお似合い。この配役はなかなか良かった。

tao

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