あかいくつ号と馬車など

26 December, 2007

昨日、所用があって、久しぶりに横浜・山手に行ってきた。
みなとみらい線の開通以来、少し賑わってきたかな?と思える元町付近だが、私はもともと、元町も中華街もそれほど好きではなくて、むしろ伊勢佐木界隈のドロドロした空気が好きなので、わざわざ元町に出かけるということは、まずない。

同じ横浜でも、馬車道は建物とか町並みに、それなりの懐かしい由緒が感じられるのに対し、なんだか元町は映画のセットのようで、あんまり魅力を感じないのだ。
それでも、伊勢佐木町にも元町にも、表通りからほんのちょっとそれた場所に厳島弁天社があるので、やっぱり姉妹なんだな、と思う。
赤い靴号のルート

中華街はというと、これまた異次元の世界で、またあまりに観光地化しているので、まったく足を踏み入れようとは思わない。たまに行くとしても、中央通りではなく、端のほうの関帝廟のある付近ぐらいなもの。
しかし、なんで関公が商売繁盛の神様になって、みんなで濛々と線香炊いているのか……加藤清正がいつの間にかライ病平癒の神様になっているのと同じぐらい、合点がいかない。

それはともかくとして、この横浜・山手というのは、交通が不便だったのが逆に、俗化を免れて長所だと思うのだが、昨今は商店街もうかうかしていられないから、元町がさびれる危機に瀕する前にテを打って置くのも、いいことかもしれない。
創業○十年という個性豊かな店が軒を並べて、オリジナルな製品を競っているのだから、ルイ・ヴィトンだのシャネルだの大手デパートだのの進出は、絶対に阻止して欲しい。

港の見える丘公園というのは、この元町から歩いて10分程度だが、坂道なので買い物客はなかなか上っては行かないだろう。観光地ではあるが、東京の観光地ほど押し合いへし合いの混雑もなく、平日には人影がなかったりして、なかなか良い場所だ。
花の季節には、あそこにもここにも、日曜画家がイーゼルを立てているのが見られるが。

用事を済ませ、横浜駅まで出るのに港の見える丘公園のバス停でバスの時刻表を見たら、1時間に1〜2本しかない。
しょうがないので坂を下りるか……、それにしても、元町・中華街駅というのも、私は工事の内輪事情をいろいろ聞いていてあまり好きになれない。あの深い階層の駅から電車に乗るよりはバスで行きたいけど…と迷っていたら、バスの時刻でもないのに、変わったバスが停留所に停まった。

「あかいくつ号」と、なんかレトロな看板がかかっている。通常のバス料金の210円を入れようとしたら、「大人100円」と書いてあるので、観光ボランティアかと思ったけど、車内で観察すると、宝くじ協会の資本で運営しているらしい。

まだ通常のバスの時刻までだいぶ時間があるのに、目の前に停まったので、つい飛び乗ってしまったが、路線がよくわからない。
基本的に、最短コースで駅に行くのではなく、観光スポット周遊バスなので、あいにくと次の用事で時間のなかった私は、我慢しきれずに途中下車してタクシーに飛び乗ってしまった。

なかなかレトロにお洒落なバスだし、途中、街中で何度も同じバスがいきかっていたので、写真を撮ればよかったが、携帯カメラしか持ってなかったのでメンド臭くなって断念。この次はカメラ持って行こう。
ネットで画像を探したが、何故かあの雰囲気をうまく写した写真がない。
バスの基本カラーは、赤というよりも、ガーネットとか臙脂っぽい色で、とっても私好み。
車内の案内板の書体などもなかなか良かった。日によってはボランティアのガイドが同乗するそうなので、横浜見物の方はお見逃しなく。路線図だけアップしておきます。


■おまけに…
この日は何故か、変わった乗り物にとても縁のある日だった。

あかいくつ号に乗って山下公園の前を走っていたら、初老のオジサンが大きな三輪車を漕いでいた。
ただの三輪車ではなく、人力車大の座席を後の車輪の上に乗っけている。ちゃんと幌があって、「300円」と書いてある。時間なのか距離なのか見逃したが、カップルが乗っていた。
オジサン、定年後のアルバイトかしら(笑)
でも、三輪車って意外とこけやすいんだよね。人力車のほうが危なくないと思うけど、体力要るしね…

その夕方、横浜に戻って、また用事で馬車道を歩いていたら、今度は本当に馬車が歩道をやってきた。

ロバ?子馬?タテガミだけ白くて割とスンナリした体格の小ぶりの馬に、人力車大の車を牽かせたオジサンが、車上から手綱を取って小走りにすれ違って行った。
馬車道だからってわけでもないだろうけど、あれは一体、ナンだったんだ?
小さい馬だから何とかぶつからずに済んだけど、同じやるなら堂々と車道歩けよ…

硬いことを言えば、三輪車のオジサンも馬車のオジサンも、あれって許可はどうなってるのかね?危ないでしょ、街中を。
横浜って妙に名物人間の出る街だ。横浜メリーさんとか映画になったけど、あれは娼婦で存在意義がはっきりしているのだから、放っておいてあげればいいのにと思う。
それよりも、伊勢佐木町をいつも道中合羽に三度傘でラジカセで歌謡曲流しながら歩いてたオジサン、派手なウエスタンスタイルで歩いてたオジサン、あっちのほうが意味不明だったけど(笑)

まあ、たまの年末だしクリスマスだし、パフォーマンスかもしれないけど、やたらに変わった乗り物に縁のある日だった。



※捕捉:三輪車タクシーはまた走っていたので観察したら、横浜開港150周年記念行事の一環のベロタクシーというものだった。今度見かけたら乗ってみよう。

べろタクシー

あの馬車のことは、依然として不明…(・・?

tao

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