歯の治療

06 February, 2007

自然界のことわり、という身に余る話はこれぐらいにして、今日は久しぶりに歯の治療に行ってきました。
別に虫歯が痛いわけではなく通常のメンテナンスで、夏休みだとかお正月だとか、旅行に行く前だとかの節々には、検診に行って歯石を取り、綺麗に磨いてもらうのが恒例です。
今年は、年末に行きそこなったので、立春を節目にして予約を入れて行ってみました。

歯の健康の大切さは、多くの人が身に沁みていると思うのですが、私は子供の頃から親が歯に気を使ってくれて、何かと言うと歯医者に連れていかれました。そのためか、今に至るまで、歯が痛くなる前にサッサと、歯医者にメンテナンスに行く習慣です。

体調が悪くなると、「歯が浮く」というサインが出ます。
お陰で私の歯はどっこも悪いところはなく、常に健康ですが、しかし、これにも経緯があり、一時期は少し苦労していました。

私の歯は先天的に、割りに質の良いほうらしいのですが、出産の時にはあちこちに細かい虫歯が出来、その後、年令に応じた歯周炎がひどくなった時期がありました。
歯周炎になっていた時期は、定期的に歯医者に行くことをしていなかったのですが、子供を連れていくのと一緒に、自分の歯の治療もするようになりました。

また、自分と年令の近い人が何人か、体調を壊したり亡くなったりするに連れて、歯に注目するようになったという事情があります。私は不思議なことに、身近に誕生日の近い人が何人も居ます。同じ年、同じ月で、誕生日が5、6、7、8、9と続いているし、中の一人は誕生時間が違うだけで、生年月日が全く同じです。団塊の世代で人数が多いというのもあるかもしれませんが、いやに身近に集中しています。家族には6月生まれがドドドッと集中してるのですが…

この、誕生日の近い人のうち、既に一人は亡くなり、一人は体調を壊して入退院を繰り返している身ですが、この二人とも、歯がボロボロ…(でした)
また、幾ら歯医者に行け、って言っても、どうせ全部ボロボロだからといって、行こうとしないのですね…(行こうとしなかった…)七赤だからというのはあるかもしれないけど、そればっかりではないですよね。歯は重要です。
私なんかは子供の頃から歯のコンクールに出ろ、と言われるぐらいで、割と歯の素質には恵まれてるほうだと思うのですが、恵まれてない人こそ、もっと注意する必要があるのでは…。

最近は、20年も通っていた歯医者さんが廃業してしまったので、4〜5年前に歯医者を変えてから、すっかり歯科に対する認識が変わりました。

前はお年寄りの歯医者さんで、それなりに丁寧にしてもらってはいたものの、少し効率の悪い治療の仕方だったのと、歯茎のそばに小さなおできが一個、常に出来ては消えしていたのが気になってました。

歯医者を変わってから改めて診てもらうと、このおできは、一本だけ神経を抜いた奥歯があったのが、中で膿んで外にプチンとおできになって出てきていたそうです。出口がなくなり中に溜まっていたので、消えないのも道理…前の歯医者さんでは、レーザーを当てると一時的に消えるので、それで凌いでいただけでした。
…これは放っておくとおおごとになりかねないので、と、根気強く治療にかかりました。

しかし、この、一本の歯の治療を通して、ほんとに歯の治療とは凄いものだな…としんから思いました。何せ、35年前に神経を抜いた歯の根っこが、何時の間にか膿んで出口がなくなった状態なので、そこに薬を注入して柔らかくしては穴を開け、根気よくほじくって穴を大きくして、膿んでいる場所まで到達しなければならない…

5日に一度のペースで、少しづつ少しづつ…ほんとに根気と時間と体力の要る掘削工事でした。薬を注入しては4〜5日置いて柔らかくしてから穴を掘る。
また薬を詰め、次の週にまたほじくる…
しかし、このほじくる作業が、一回に1時間弱は楽にかかります。こっちも口を開けているのが大変なら、歯医者さんのほうもほんとに体力の要る仕事だなーと感心してしまいました。

最初は「これは、結果はよくないかもしれないな…」と言っていた歯が、根気強い治療のお陰で、みんごと膿の箇所まで到達し、完全に膿を排出しては埋めなおして継歯にするまでには、丸3ヶ月以上かかりました。
たぶん、これでも順調なほうだと思います。他に飛び火してなかったので…下手したら、顎が腐ってますよね…

その後、まだ昔風にあちこちにアマルガムの詰め物をしていたのが好ましくないというので、これも全てレジンに変え、今度こそ本当に健康な歯になったので、スポーツ用のマウスピースまで作って貰って完璧。

こうやって徹底的に歯の治療をしてからは、何だか疲れにくくなったような気がするし、疲れの回復も不思議と早くなりました。
更に、驚くべきことには、毎年初冬には扁桃腺が腫れて42度超えの高熱を出すのが年中行事になっていたのが、ピッタリと無くなりました。歯から菌が回って、体力の落ちる不調な時期に症状が出てたのかな…

しかし、最近の歯医者さんは、昔の歯医者のイメージとは随分変わりましたね。まず第一に、ほとんど痛くありません。歯医者につき物の、「ウィーン、ウィーン」と歯を削られる嫌な感触が、とっても小さくなり、ゼロではないけど、「え?何かした?」という程度です。
それと、システム的にもかなり合理化されてて、保険診療と自由診療との区別を説明してくれるし、合意の上で治療を進めてくれます。

ただ、これにはあくまでも、自分もきちんと治したいんだ、という意志と根気も必要です。まずきっちりと治療に通う決意と、それに伴う時間を作ること、命を大切にするぐらいの意識で取り掛かる覚悟も大切なのではないでしょうか。最近は痛くなくなったとは言うものの、口を30分以上も開いているのはかなりの体力が必要なので、患者側の努力も必要で、まさに歯医者さんとの共同作業という側面があります。
長いこと開けてるのが疲れるならば、そう告げてスケジュールを話しあうことも必要でしょう。

それと、歯医者さんを選ぶことも大切です。どうも歯医者というと、一本何十万かかった、という話が多いようですが、まず土台、根っ子の健康をしっかり考えてくれる歯医者さんに出会うことと、そういう出会いというのも、患者側の歯への関心の高さに比例する面があると思います。

私なんかは、どこの歯医者さんに行っても「この歯は一生もつから大事にしなさいね」と言ってもらえるぐらいなので、かなり恵まれている方だと思いますが、やはり子供の頃からの習慣って大切です。
でもそれも、常に歯への関心が高くて、どこも痛くなくても常にメンテナンスに行く習慣があるからなので、痛くなってから行くのは、歯医者にとっては余計な手間のかかる患者ではないでしょうか。

みなさん、歯が痛くなる前に、まずは近くの、夜間や土日も診療しているような、熱心で発展している新しいタイプの歯医者を探して行ってみましょう。
急患で行くことのないように、まずは「歯石取りと検診」です。
それでもし虫歯が見つかったら、治療計画を建てて順次治していくようにすればいいと思います。
もし一息に直すのが無理なら、全部ダメと言わずにせめて半年に一回、歯周病の予防の検診に行き、その時に1本づつ直していくというのはどうでしょう。余りに歯の悪い人は全部治すとウン百マン、とかなってしまい、諦めてしまう人が多いようですが、諦めて全く歯医者に行かなくなったらおしまいです。せめて少しづつでもメンテして、痛くなる前にわずかづつでもできる部分だけでも治療しましょう。
私なんかは、健康診断に行くよりも歯医者に行くほうがずっと大切だと思ってる人間です。

今日は、歯医者さんの回し者になりましたが、あくまでも、良心的な歯医者さんの回し者です…皆さん、くれぐれも歯をお大事に。

tao

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