2003年4月15日の日記

04 January, 2003

どうも易経の解説書にこれと言ったものがなかったので、ふと思いついて探してみたら、運良く呑象高島嘉右衛門著「増補・高島易断」(四合本)の原本が見つかった。

この本は明治19年に刊行された「易経高島易断・全10巻」の増補改訂版で、易が今日広く行われるようになったきっかけとして易の入門書の決定版となった。
高島翁は1888年にこれを英訳してシカゴの世界宗教大会に提出し、翌年従五位勲四等にも叙せられている。

これほどの本がどういう訳か絶版になっていて、八幡書店で復刻していたがこれも高値の上に絶版、古本でさえも入手困難である。
易経の原典としては中国古典文学大系や岩波書店で「易経」そのものが幾らでも手に入るが、一般の人には原典だけでは読み解きは困難だろう。

入手しやすいものとしては、先代の銭天牛氏の著書をたまに覗いてみてはいたが、分かりやすくはあるものの、やはり参考にするには物足りず、しかも、銭天牛氏ほどの人でさえ、高島易断といえばテキヤのインチキ集団という認識しか持っていなかったようである。
参考文献としてはカッパブックスの本やせいぜい「易学研究」を挙げている程度だ。あとは堅苦しい(?)家元の著作が数点。

「銭天牛氏ほどの人」というのは、先年偶然のことにテレビ局でお会いして、いわゆる占い師には珍しく真っ当な人物だ、という認識を持っていたからだ。著書も好きである。
しかし、やはり西洋占星術が専門のせいか、東洋占に関しては食い足りない部分が多かった。
案外この、昨今訴訟沙汰にもなった占い集団との関連が災いして、この本の本当の姿が認識されていなかったのかもしれない。

東洋学には安岡正篤氏の著作などもあるのだが、どうも「高島易断」そのものを実際に見てみないことには、何をよりどころとするのか自分自身決めきれず、易に対してはふっきれなかった部分がある。

今回入手したのは、明治27年初版で36年の四版の分である。明治36年といえば1903年だから、ちょうど100歳を迎えたこの本、年齢のわりには非常に綺麗である。
この「高島易断」の原典がなぜ一般に流布していないのか、今後の読み解き作業にかかって来るものだが、サイトのコンテンツや講座のほうにも生かせれば良いなと思っている。

tao

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