コンピュータよ、怪しくあれ

03 January, 2008

新年明けましておめでとうございます。
と言っても、こちらはまだ2007年の暦を使っているせいか、いっこうに年改まった気がしない。ある意味でこれは職業病かも。気にすればするほど、二十四節気の自然暦というのはよく出来ていて、農耕民族にはこれしかないだろう、って感じである。

ただ、年々、地球が暖かくなっているせいか、立春ってほんとに春立つんだなあ…という感覚が薄れているのは確か。
私的なことで見ても、古武術の道場の門を叩いたのが平成元年の年初。前年の暮れに入門手続きを済ませていたので、年明けの4日だか5日ごろから朝稽古に出始めたのだが、この時代の冬はまだ、本当に寒かった。

朝7時からの稽古前に掃除を済ませ、あまり寒くない季節には、そのバケツの水を玄関に撒くのが習慣だが、冬にはこの水が凍りついて、道を歩く人が滑ってしまう。季節の推移に慣れない新人は、この判断を見誤ってよく叱られていたものだ。
昨今では東京で水が凍ったのなんて見たことがないので、これだけでも本当に、地球は温暖化したのだなーと思う。

このサイトも、オリジナルの風水暦を引っさげてネットにデビューしたのが1999年なので、2008年の風水暦でちょうど10年目になるわけだ。何度か内容やデザインは変わったが、基本線はほとんど変化していない。
気学と風水の部分を分けるべきかなど、様々な問題を抱えつつやってきたが、今年からYahoo! JAPANのデザインが変わったのを見て、やはりネットの世界の様変わりの大きさを感じてしまった。

サイトのデザインというのは、色づかいなどのビジュアル面よりも、使い勝手に関する問題が大きいと思うのだが、カテゴリ型サービスの草分けであったYahoo!でも、カテゴリがクリックされることが少なくなり、他のロボット型と大差なくなっていたという話もある。
要は、サイトが増えすぎてカテゴリ型では対処しきれなくなったということらしいのだが、当サイトを立ち上げた頃、電話帳みたいなWEBサイトアドレス帳が売っていたのを思い出すと、隔世の感。

コンピュータとインターネットの世界は、本格的に日常生活に浸透し始めてから、まだまだ日が浅い。創始者レベルの人達にしても、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズがまだ十分に現役を張れる年齢なので、筆者などはたぶん、世代交代を見届けられないかもしれない(笑)。

この二人は共に1955年生まれと、東洋運命学で言えば九紫火星の未年。他の世界のトップとは趣きが違って、ビル・ゲイツは一般旅客機での移動では常にエコノミークラスに座ったり、スティーブ・ジョブズはあいも変わらず、ご存知の通りのGパン姿である。
スティーブ・ジョブズのプレゼンテーションの素晴らしさには定評があるし、逆にビル・ゲイツが能弁な感じを出さずにちょっと照れ気味に話したりするのも、一つのスタイルだろう。

先年、少し試してみたいことがあって、HPとEプソンの二社のショールームに、予約をしてから行った。
何となく予想通りというか、HPの担当の人は、ほんとにその辺のニイチャンというGパン姿ながら、技術者っぽくボソボソと誠実な対応だったし、Eプソンのほうはいかにもトップ企業の技術営業という感じで、背広にネクタイ姿でソツなく対応してくれた。
私の連れも、きちんとスーツを着ていくべきかどうか、と迷っていたので、スーツ着ていくのは営業マンだよ、この世界の技術者はみんなジーンズとかラフなスタイルでしょ、と笑ったものだ。

知り合いに、D通だかH報堂だかの出身で、現在は起業して自社サイトを立ち上げている人がいる。その人に、私がどうやってサイトを作ったのか、学校に行ったのか、と訊ねられた。彼にとってはどうも、趣味の延長のような感じでPCを使ってサイトを作り、それで仕事として成り立たせていけるものかどうか、合点がいかないらしい。

しかし、やはりこれも、私から見ると企業出身の人の発想に思える。このサイトの「ベッドルーム」の中の「コンピュータに払った犠牲」でも触れたが、コンピュータなんて、もともと相当に電波な世界のものではないだろうか。常識人が「そんなこと、出来るわけがないじゃないか。やったって無駄だよ」と考えることを、常識を撥ね退けて強引にやり通すキチガイじみた人達の力で、世界はここまで来た。

コンピュータをきちんと学校に通って習い、出来上がったルールとマニュアルにのっとって使うというのは、一般人の考えかただ。学校の枠に収まりきらない、トンがった部分を、開発というのではないだろうか。
インターネットの素晴らしさは、誰でも一人一人が開発者になれる、そしてその結果を、誰の審査や許可を受けることなく、世に発表できると、ということではないだろうか。その結果は当然、全て自分で負うのだ。

ひとときも足踏みすることのできないコンピュータやインターネットの世界、もっともっと怪しく、空想と夢を追いかける、ドロドロしたエネルギーに満ちていて欲しいものだ。

tao

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