運命学から観た袴田事件

29 March, 2014

何とも騒がしい世の中で、世界中が終戦後最も不安定になっている昨今ですが、日本でも冤罪事件として世間の耳目を集めた袴田事件で、やっと再審請求が認められました。
ギネス記録をも更新するという長い長い獄中生活の為、本人は相当弱っておられるようですが、お姉さんが高齢ながらしっかりした口調でインタビューに応えられ、家族というものはかくも強い絆で結ばれているのだと感心させられました。
拉致事件の横田夫妻もそうですが、人間、大切な者を支えなければならないという思いが本当に人を強くするのですね。強くなりたくてなったわけではなく、自分の為だけに生きる身でなくなると、強くならざるを得ないのでしょうが、近年の、仕事のストレスが嫌、家族持つのもめんどくさい、なるべく楽に生きたい、という一部の風潮と引き比べると、少し考えさせられます。

楽に自然に生きたい、という気持ちはとてもよく分かるのですが、それは嫌なことを避けるのではなく、自分自身のパワーやキャパシティを増やすほうがずっと早いのではないか、という気がします。嫌なことは、避けているとどんどん大きくなって必ず追いかけてきますし、あまりそういう方向に流れてしまうと、自分で生きる活力を小さくし、痛みやストレス耐性の閾値を下げてしまうのではないでしょうか。
そうなると結局は、誰もが何とも思わずにこなしている日常のことも辛く感じてしまうようになるので、それを避けることで更に力が無くなり、どんどんどんどん、生き辛くなってしまうのではないか、と思ってしまいます。
そういう意味でも、ああいう不遇の家族を思いつつ、懸命に強く生きておられるお年寄りの姿は美しく、このような方々にこそ幸あれ、と願わざるを得ません。

ニュースをぼんやり眺めていての感想は、法的なことに明るくない私の頭ではこの程度ですが、事件発生からもうすぐ50年になんなんとする長期間、このような渦中にあった人物の命式はどういうものだろうかと、公表されている生年月日を元に命式を出してみました。
人相を拝見して少し思うところもあるのですが、そういうものはどうしても主観が入る為、ご紹介するのは誰が見ても同じ結果しか出ない、干支による判断に限りますが、なかなか興味深い結果になりました。

1936年 3月 10日
丙子 辛卯 辛卯

これだけでは何のことか全く分かりませんが、これから更に一生の流年というものを出しますと、次の通りになります。

1936〜1944年 1〜9歳 辛卯 木運
1945〜1954年 10〜19歳 壬辰 木運
1955〜1964年 20〜29歳 癸巳 火運
1965〜1974年 30〜39歳 甲午 火運 1966年(丙午年) 6月(甲午月)に事件発生、収監
1975〜1984年 40〜49歳 乙未 火運
1985〜1994年 50〜59歳 丙申 金運
1995〜2004年 60〜69歳 丁酉 金運
2005〜2014年 70〜79歳 戊戌 金運 2014年(甲午)年 3月(丁卯)月再審決定
2015〜2024年 80〜89歳 己亥 水運

上記の年齢は数え年です。基点を1歳にしないと、流年の標準的な割り出し方とあわない為です。最初の区切りの年数だけは10年以下で各人まちまちですが、その後は全部10年刻みです。

これをよく見ますと、かなり興味深いことが分かります。この方は日柱が辛卯なので午未空亡というタイプです。この空亡という要素だけに限ってみても、1965年〜1984年の20年間が大運で空亡していますが、大運空亡の中でも最初の空亡年の空亡月に事件が起こって収監されているわけです。
それから十二支が4巡した午年の誕生月に再審が決定したわけで、誕生時間が分からないので完全なデータではありませんが、偶然の一致にしては余りに出来すぎではないでしょうか。

また、人生の四季とも言うべき30年ごとの五行が、来年2015年から変化します。本年2014年はこれまでの流れがいったん区切りがつく大きな節目で、いろんな変化の時に差し掛かっていると言えるでしょう。

運命の根本はそもそも運命学で解決するようなものではないのですが、このようなデータは、運の変遷を読む上での一つの参考になります。同じ生年月日の方も沢山いらっしゃるでしょうし、このような先天運はもっと根本的な因縁や先祖関係に由来するので、運命学で読めるのは表面に見える部分だけです。
しかし少なくとも、人間の意識しないところで目に見えない大きな流れがあるのではなかろうか、という惧れをもって、自分の人生を大切に敬虔に、生きるよすがになろうというものではないでしょうか。

tao

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